簡単にできる 120MHz -> 133MHz 化から、FEXT PLL を使用した 133MHz over のクロックアップまでを紹介します。
さて、今回はちょびっとだけ、イメージを張り付けてみました。 |
分解編 |
1.まず、本体裏のネジを全部外した後、キーボード手前のパームレストを外し、
2.キーボード奥の IBM ロゴや LED のあるパネルを外します。 3.本体背面の4本のネジを外すと LCD が引き抜けます。
4.基板とケースとを止めてあるネジが幾つかありますので、すべて外すと
5.アルミ板を取り去ると、すっぴんの基板と御対面。
また資料番号の検索はこちらで行えます。 なお、「ThinkPad 535 ハードウェア保守マニュアル」の資料番号は SY88-3077-01、価格は 380円 となっています。 (1996/10/31 現在) |
改造編 sono1 (120MHz -> 133MHz) |
TP535 で使われている PLL IC は W48C60 でした。 インターネットでデータシートを探してみましたが、ヒットしたサイトは 進入禁止であえなく退散する羽目に(;_;) NIFTY-Serve FEXT のライブラリにある _P55-T2P4.txt によると、 ICS9159 なる IC が W48C60 の互換品(らしい)ことが書いてあったので 早速 ICS9159 でサーチをかけて、http://www.icsinc.com/より データシートを入手しました。 ピンアサインは以下の通りです。 ICS9159-02 Pin Configuration +-----__-----+ VDD | 1 28| REF0 +-----+-----+--------------+ X1 | 2 27| REF1 | FS0 | FS1 | CPU | X2 | 3 26| VDD +-----+-----+--------------+ Vss | 4 25| KEYBD | 0 | 0 | 50MHz | OEN | 5 24| DISK | 0 | 1 | 60MHz | PCLK0| 6 23| Vss | 1 | 0 | 66MHz | PCLK1| 7 22| BCLK5 | 1 | 1 | Testmode | VDD | 8 21| BCLK4 +-----+-----+--------------+ PCLK2| 9 20| VDD PCLK3|10 19| BCLK3 Vss |11 18| BCLK2 FS1 |12 17| Vss FS0 |13 16| BCLK1 VDD |14 15| BCLK0 +------------+ お手軽にベースクロックを 60 -> 66MHz にするには、12,13番ピンを基板から 浮かせて12番ピンを GND(Vss)、13番ピンを Vcc(VDD)へつないでやります。 私は 12,13 番ピンを基板から浮かせて、11-12番ピンと13-14番ピンをショート させました。 これで 133MHz 動作するようになります。 ![]()
−おまけ−
元どおりに組み立てるときは、ネジの長さに注意しましょう。短いネジだと 気をつけましょう。(;_;)
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改造編 sono2 (120MHz -> 156MHz) |
今回は TP535 の限界を試すつもりで、T-ZONE パーツショップにて FEXT PLL キットを購入しました。他には 14.318MHz X'tal OSC、EXO-3C 24MHz、動作 周波数を決定した後に内蔵する 16〜18MHz の X'tal 数個を用意しました。 まずは、本体にオシレータを取りつけます。W48C60 の 24,25,27,28 ピンを基板 より浮かせ、基板上のランドに 24MHz, 12MHz, 14.318MHz を入力します。 次に 2,3 ピンを同じく浮かせ、IC の 2番ピンに FEXT PLL からの出力を入れて やります。 +------------------------------------- FEXT PLL より | (ICのピンに接続) | +-----__-----+ | VDD | 1 28| REF0 <--+--- 14.318MHz +--> X1 | 2 27| REF1 <--+ X2 | 3 26| VDD Vss | 4 25| KEYBD <------ 12MHz OEN | 5 24| DISK <------ 24MHz PCLK0| 6 23| Vss これで準備は完了です。再度本体を組み立て、FEXT PLL -> TP535 の順に電源を 入れます。TP535 の動作クロックは FEXT PLL の周波数を 14.318 で割って 120 倍(133MHz化してあれば 133倍)した数値になります。 最初はパームレスト、LED 部分のパネル等を外した状態で動作させてみました。 160MHz では Mwave の初期化に失敗したり、Win95 がセーフモードで起動したり と使い物になりませんが、156MHz 以下では Win95 が正常に起動しました。 そこで 156MHz で 1時間ほど連続動作させてみました。アルミの放熱板がかなり 熱くなるものの熱暴走はせず、Wintach, 3DBENCH2 でも 103〜104 の値を出して くれます。 つぎに、ケースを完全に組み立ててテストしてみました。空気が流れなくなる ので熱が本体内にこもりがちになります。 すると... さすがに 156MHz では 10分程でフリーズしました。その後徐々に 周波数を下げていき、145MHz まで下げてやるとほぼ安定。 ん〜、さすがに冷却なしではきついですね。サブノートでは仕方ないか?? 本体底面、CPU の放熱フィンの辺りに穴をあけると多少なりとも冷却効果が 期待できそうなので、今度 IBM から取り寄せて加工してみようかな...? |